高学年の指導 中学への橋渡しとしてやっておきたいこと 2004年11月28日

  1. 何をやっておけば中学で役立つか
  2. 教材の紹介とカリキュラムデザイン、レッスンプラン実例
  3. アクティビティー
  4. 学習経験の長い高学年の指導

参加者の自己紹介 今日一番知りたいこと、課題、指導上の問題など

  • コースブックの基本会話文の扱い方。ロールプレイなどをどこまで要求するかなど。
  • 小学校と中学校の連係。
  • 小学生のときに身に付けた英語が中学で見えてこない、力を発揮できないことを解決したい。
  • 自由に発話できるように基本の2000語くらいを身につける方法。
  • 会話と文法力をつける方法。
  • どんなことでもよい。

1. 高学年で何をやっておけば中学で役立つか

◯文化的なこと

  • 異文化へ興味を持たせる 英語圏ばかりでない他の国々の同年代の子どものこと知るような内容

    服装、学校のこと、言葉や文字など

  • 会話を続ける方法

    話す内容や話題を見つけ、会話を続けていくスキル あいづち I see. Really? Me, too. など 相手へのポジティブなコメントのしかた

◯表現力

  • 日本語でいつも話しているような内容、身近な話題
  • 自分について表現できるようにする I need… I want… I have…など
  • ひとつの単語を3つの単語か文章で表現する three hint gameのような遊びをする
  • 単語でなくチャンク (系統だったチャンクの指導プランがあれば知りたい)

◯文型と語彙

  • Are you…? Do you…? Can you…?などの文型
  • Itで始まる文
  • 数と、countable nouns/uncountable nouns
  • 基本の単語 中学の教科書で扱わないけれど、日常生活に必要な単語
  • よく使う単語とその単語を使った文章 単語レベルでなく、文章を丸ごと頭に入れる
  • 自然な早さの表現を聞いて内容がなんとなくわかるようにする
  • 5W+1Hを繰り返し練習する Yes./No.で答える文との使い分け
  • 冠詞
  • 付加疑問文
  • 人称代名詞の概念
  • 単数と複数の概念

◯音声と読み書き

  • 音声指導 自信をもって発話できるようにしたい
  • 自然な発音の文 don't you?→ don'tya? 音のつながりと脱落など
  • フォニックス 三文字単語の読み書きくらいまで
  • アルファベットの読み書き
  • 簡単な物語をたくさん聞き、声にも出して読み、文字と音に慣れる

2. 高学年向けの教材の紹介とカリキュラムデザイン

2.1 教材の紹介 (それぞれの特徴やよい点については、長くなるので省略します。)

高学年用の教材リスト(順不同)

◯ コースブック、テキストブック

  1. JUNIOR COLUMBUS 21 BOOK 1 編集委員 東後勝明 小泉清裕ほか著 光村図書出版 ISBN 89582-315-1
  2. JUNIOR COLUMBUS 21 BOOK 2  編集委員 東後勝明 小泉清裕ほか著 光村図書出版 ISBN 89582-316-X
  3. AMERICAN Chatterbox Student book 1. Derek Strange. Oxford University Press. ISBN 0-19-434590-4
  4. AMERICAN Chatterbox Workbook 1. Derek Strange. Oxford University Press. ISBN 0-19-434592-0
  5. American Primary Colors Student Book 1. Diana Hecks, Andrew Littlejohn. Cambridge University Press. ISBN 0-521-53916-1
  6. American Primary Colors Activity Book 1. Diana Hecks, Andrew Littlejohn. Cambridge University Press. ISBN 0-521-53917-X

◯ 歌

  1. CHANTS for Grammar 中本幹子 アプリコット ISBN4-89991-038-X
  2. The Music Box  久保野雅史 久保野りえ ピアソン・エデュケーション ISBN4-89471-862-6
  3. Let's Chant, Let's Sing Book 1. Carolyn Graham. Oxford University Press. ISBN 0-19-434648 X

◯ フォニックス

  1. Click on Phonics WORKBOOK 1  中本幹子 アプリコット ISBN4-8991-068-1
  2. Click on Phonics WORKBOOK 2  中本幹子 アプリコット ISBN4-8991-069-X
  3. Click on Phonics WORKBOOK 3  中本幹子 アプリコット ISBN4-8991-070-X
  4. Click on Phonics Teacher's Handbook 中本幹子 アプリコット ISBN4-8991-071-1

◯ ワークブック、ピクチャーディクショナリー

  1. Longman English Playbooks. Longman.
  2. Longman Children's Picture Dictionary. ISBN 962-00-5233-1
  3. Longman Children's Picture Dictionary. Workbook 1. Aleda Kraus. ISBN 962-00-5317-6
  4. Longman Children's Picture Dictionary. Workbook 2. Greg Cosu. ISBN 962-00-5318-4
  5. Activity Book for Children Book 2. Christopher Clark. Oxford University Press. ISBN 0-19-421831-7
  6. Activity Book for Children Book 5. Christopher Clark. Oxford University Press. ISBN 0-19-421834-1
  7. Let's Go Picture Dictionary. Ritsuko Nakata et al. Oxford University Press. ISBN 0-19-435865-8

2.2 6年生開始の場合の1年目のカリキュラムの実例(省略)

2.3 中学入学直前の短期集中5回分のレッスンプラン実例

対象:新中学1年生
日程:3月24(月)~3月28日(金)の5回
時間:10時30分~11時50分(1回80分)

コースの目的:

中学での英語学習に入る前に英語に親しみ、英語の学習を楽しいと感じるようにする。
英語を教科としてでなく、コミュニケーションの手段としての言葉であることを認識する。

レッスンプラン:

第1日目 3月24日(月)
1. アルファベット大文字の読み書き(A~M)

Bingo Game 3×3
Place the cards as T says
SONG: ABC Song

2. 色

T: What color is B? Ss: It's pink.
T: Is B blue? Ss: It's pink.
T: Is G yellow or green? Ss: It's yellow.

3. be動詞 (am, is, are)

I am Yuco. You are B.
He is Mickey Mouse. She is Minnie Mouse.
Game Guessing game
(T: Are you Snoopy?
S1: Yes, I am./No, I'm not.)

第2日目 3月25日(火)
1. アルファベット大文字の読み書き (N~Z)

Bingo Game 5×5
Place the cards as T says
SONG: BINGO

2. 数(1~12)、電話番号

T: What's your telephone number. S1: 555-1234

3. 複数形と身近な名詞

会話 S1: I have two pencils. S2: You have two pencils.
T: Do you have two books? S1: Yes, I do./No, I don't.
Game Go Fish
TPR (T: Take two bottons.)

第3日目 3月26日(水)
1. アルファベット小文字の読み書き(地下室の文字)

大文字を使った省略語:JR, CM, NTT, YMCA, etc.

2. 数(12~20)、時刻

T: What time is it? Ss: It's seven o'clock.

3. It, they (複数形+色)

T: What color is the …? Ss: It's red.
T: What color are the …s. Ss: They are blue.
Ss: They are friends.

第4日目 3月27日(木)
  1. アルファベット小文字の読み書き(二階建ての文字)
  2. 数: 13~20
  3. 疑問文 Are they blue? Yes, they are./No, they aren't. Is it blue? Yes, it is./No, it isn't.
第5日目 3月28日(金)
  1. アルファベット小文字の読み書き(残りの小文字)
  2. 数:20, 30, 40, …100 時刻:It is 2:45.
  3. 否定文 It is not blue. They are not yellow.

小文字の指導は、大文字の指導が終わってから、aから順番にするのでなく、基線の下に出る文字(地下室のある家)、上に長くのびる文字(二階建ての家)、大文字とそっくりな文字(そっくりさん)、残りの文字、の4種類に気付かせる。子どもに探させてから、地下室のある家の文字(g, j, p, p, y)、二階建て(b, d, f, h, k, t)そっくりさん(c, i, m, o, s, u, v, w, x, z)、その他の残りの文字の順番に教えるとよい。

3. 高学年向けのアクティビティー

-Christmas Story Bingo

クリスマスに関連のある単語を入れた文章を読んで、クリスマスの単語の絵カードでビンゴゲームをする。単語をコールするのでなく、文を読む。ストーリーを全部読むと絵カードを全部裏返すことになるので、1~5のどれかを省いて読むようにする。

Christmas Story Bingo Game (以下の文章は、著作者不明です。クラスでの利用など、教育目的ならよいのではないかと思い掲載します。)

  1. On Christmas Eve Santa Claus put presents in the stockings. The stockings were hung near the fireplace. Santa gave all the children a candy cane and a gingerbread man.
  2. There were very beautiful ornaments hanging on the Christmas tree. On the top of the Christmas tree there was a bright star.
  3. There was a beautiful wreath on the front door. There was holly on the wreath and icicles above the door. Outside the house was a big snowman.
  4. Then Santa Claus left in his sleigh which was pulled by his reindeer. He rang his bells as he went to the church.
  5. On the church door, there was a dove and an angel. He then went to another house which had a big chimney. There was a poinsettia on the door step with some snow on it. Inside there were many Christmas cards and the candles on the table.

応用:
ビンゴゲームでなく、絵カードを1セット使って、順番に並べるだけでも楽しい。
絵カードを使わずに、聞いたとおりの絵を皆で描かせるのもよい。

-Christmas Go Fish 5, 6人用のゲーム

小さいサイズのカード(ホームセンターにある名刺用の白カードを利用)にクリスマスのシールを貼ったり、スタンプを押して作ったものを使って、Do you have…? Yes, I do. No, I don't.などを練習する。

-Inspiration Game

品物を手にした生徒が次々にテーマと関連のある単語を言って品物を回していく。

-Stocking Passing Game

パーティーのときなどに輪になって遊ぶ。クリスマスのストッキングや巾着、バスケットなどにキャンディーを入れる。上記のゲームと同じようにして、クリスマスあるいは冬と関連のある単語を生徒が言う。言った生徒はキャンディーをひとつ取ってから回す。容れ物を変えれば、イースター、ハロウィーンなど季節の行事のパーティーに応用できる。

-進度チェック

クラスで教えた内容に合わせた手作りの進度表を使って、レッスン中に生徒が自分で印をする。進歩が実感できるようにして自信を持たせ、学習への意欲に結び付ける。

4. 学習経験の長い高学年の指導

-各自の目標や、どうなりたいかの生徒の希望を聞いて、その実現のための方法を相談して決める。クラスの時間内にそれぞれの目標に向かって個別に学習する時間を10分くらい設けるとよい。進度差や年齢差があるクラスの個別指導によい。

-自分のことを絵や言葉で表現する機会を作る。