ピクチャーディクショナリーの効果的な指導法とコースデザイン 2006年6月18日

今回のワークショップではリスニングのアクティビティーの大切さを再確認しました。リスニングのアクティビティーをたくさんすることで日本語との発音やアクセントの違いなどに自然に気付くのではないかという考え方です。また、単語を言えるようになったところで終わらせず、文章の中に入れて子どもたちがお互いに質問したり答えたりすることと、自分や自分の周りのことを簡単に表現するまでもっていくとよいという提案をし、その方法を一緒に考えました。

○ 参加者が知りたいこと

  • ピクチャーディクショナリーを使ってできるコミュニカティブな活動をたくさん知りたい。
  • チャンツの導入方法。
  • 歌やチャンツの教材。
  • ピクチャーディクショナリーの効果的な指導法。
  • 単語数を増やすアクティビティーをたくさん知りたい。
  • vocabularyをどの程度教えたらよいか。
  • (CDの)ダイアログがはやすぎて、小さな子どもには難しいと思われるのですが、どう導入しますか。
  • ピクチャーディクショナリーを中心にレッスンをする場合どのように使っていくか。

1. ピクチャーディクショナリーを使う意義

  • コースブックだけを使っていると学ぶ単語の数が少ない。
  • 単語をたくさん知っていると表現をするときに使える。
  • 子どもが自分で単語を学べたりわからないことを調べたりすることができる。目次や巻末のワードリストを使って調べる方法を学べる。
  • 中学生になると次々に新しい文型が出てきて混乱する生徒もいる。単語は学ぶ余裕がないので、小学生のときに単語を学ばせたたい。
  • 中学生が学校で学んだ文型を使って表現をしようと思っても、知っている単語の数が少ないと豊かな表現はできない。小学生のときに楽しく単語を学んでおくと後で役にたつ。
  • 小学生の低学年、中学年のときにいろいろ工夫してあれこれ文型を教えても、文型の違いやルールなどに気付きにくいが、高学年や中学生くらいになると簡単に理解する。単語を学ぶのが得意な年齢のときにたくさん単語を学べるようにプランを立てたほうが無理がない。

2. いろいろな教材とその特徴

  • Heinle Picture Dictionary, The (Thomson Heinle) Beginning Workbook Lesson Planner with Activity Bank CD-ROM
  • Let's Go Picture Dictionary (Oxford University Press)
  • Longman Children's Picture Dictionary (Pearson Longman ELT) Workbook 1, Workbook 2 Teacher's Resource Book
  • Longman Picture Dictionary, The (Pearson Longman ELT)
  • Oxford Picture Dictionary for the Content Areas, The (Oxford University Press) Reproducible Collection: Worksheet, Content Chants, Content Readings, Word with Picture Cards Workbook Teacher's Book
  • Word by Word 2nd ed. (Pearson Longman ELT) Vocabulary Workbook Word by Word BASIC

3. ステップごとの指導法とアクティビティー

3.1 導入の方法 子どもをやる気にさせるこつ

ページをあてクイズ

教えようとするページをいきなり開くよりも簡単な遊びをしてから始めるとよい。
指導者は"I see a …" のように、あるページの単語を3~5つ言う。
生徒はどのページかを考えてそのページを開く。全員が正しいページを開き確認する。
今度はそのページを最初に開いた生徒が自分で選んだページについて述べる。
他の生徒も同じようにし、最後に指導者が目的のページの単語を言う。

目的のページを開いたらテーマに関連したことを質問したり話したりして生徒の興味を引き出す。

次に英語で言える単語があるかどうかを生徒に聞いてみる。
いきなり発表させると、一人だけがどんどん単語を言い、他の子どもは黙って聞いているだけになるので、少し時間を与えて、知っている単語におはじきなどを置かせる。
その後で一人一語ずつ発表する。
このようなステップを踏むことで、どの単語を知っているかがあらかじめわかる。

実物、おもちゃ、絵カードなどで単語を導入する。

3.2 展開練習の方法 楽しく練習するためのアクティビティーとゲーム

☆ アクティビティーやゲームをするときの注意

  • 満足するまでやらないこと。またやると言って、同じテーマで別のアクティビティーに移る。
  • 競争するゲームを避ける。
    同点で勝負がつかない時や、勝てないとわかったときに、やる気を失う生徒もいる。
  • 勝敗がハッキリとするゲームは個人戦にならないようにチームで競うようにする。
    カルタ取りなどもタイマーかけて時間内に何枚取れるかを1回目と2回目を比較する。
    クラス全体で協力しあうようにする。
  • 子ども達とルールを決めて、守ること。ルール違反は厳しく対処すること。
    勝ちたいばかりにルール違反をしないように気をつける。
  • 勝者に対しては、手をたたいてその場で認める程度でよい。
    たとえ点数などを与えても次回のレッスンに持ち越さないようにする。
  • リピートやドリル練習などはなるべくたくさん聞かせた後に行なうとよい。
    リスニングのアクティビティーが先、スピーキングのアクティビティーが後になるよう。

ステップ1 Listeningのアクティビティー

  • Point to …
    ピクチャーディクショナリーの目的のページを開いたら、指導者の言う単語を生徒が指差す。
  • Is number one a …?
    ピクチャーディクショナリーの単語にふってある番号を見て、指導者の質問にYes./No.で答える。
  • Show Me
    生徒に絵カードを配る。指導者が言う単語を持っている生徒が絵を掲げて皆に見せる。
  • Give Me
    生徒に絵カードを配り、指導者の言うカードを持っている生徒が指導者に手渡す。
    上記のShow Meなどで配ったカードを回収するのにもよい。
  • Give Me Version 2
    カルタ取りのようにテーブルにカードを並べておき、Give me …と言う。
    カードを見つけた生徒が取って指導者に手渡しする。
    だれが何枚取ったかわからないので勝ち負けの印象が残らないでカルタ取りの雰囲気が味わえる。
  • Bring Me
    離れた場所に置いた絵カードの中かから、指導者の言う絵カードを探して持ってくる。
  • How do you spell …?
    指導者が質問し、生徒はピクチャーディクショナリーの単語に書いてある文字を見て答える。
  • Yes No GAmes
    指導者の言ったことがあっているかを考えて、いろいろな動作やアクティビティーをする。
  • 歌、チャンツ
    歌のCD聞かせ、出てきた単語を聞き取ったり、出てきた単語の絵カードを順番に並べる。

ステップ2 発話 (Repeat the word, Say the word, Say the word in a sentence)

  • 歌、チャンツで練習
    動作(単語の形などを手や身体で表す)をつけたり、絵を指で差したりしてリズムよく言う。
    (AA, BBB)×3, AA, STOP
  • Name the Card and Pass
    絵カードの単語を言ってから隣の生徒に手渡す。そのカードを次々と渡しながら単語を言う。
  • Throw a ball and say a word
    輪になって立ち、ビーチボールを投げたときに単語を言う。
    低学年はなにを言うか考えるのに時間がかかり楽しくなくなるので、先生の言った単語を言う。
    高学年は同じカテゴリーの単語を次々に言う。
  • ゲームで練習
    すごろく、Clapping Gameなど(遊び方は省略。ウェブのspeakingのアクティビティーの項目をご覧ください。)

ステップ 3 Communicating:Asking and Answering(目的の単語を入れた文を使う。)

Class survey (Do you like …? What time do you …? Do you have …?)
生徒に発話させたい文型は、意識して事前に生徒に多量に聞かせるとよい。
Do you like …?と生徒に言わせたい時は、前もって指導者がその質問を生徒にし、生徒が答える練習をしてから、生徒がDo you like …?と

質問するようにプランを立てる。 ビンゴゲームで指導者がコールする時は、単語だけ言うのでなくセンテンスの中に単語を入れる。

Reading & Writing
  • 絵カードに単語が書いてあるものを使って、絵カードで遊びながら文字を見るようにする。
  • ピクチャーディクショナリーのページから生徒が単語を3つ選んでノートに書き写す宿題を毎週出す。
  • 絵と文字を合わせるカードゲームをする。
  • Jumbled Word: 単語を使ったクイズを生徒と作る。
    1枚の小さな紙片に1文字書く。(milkならm-i-l-kと4枚の紙片に1文字ずつ書く)
    よくシャッフルしてから袋か封筒に入れる。
    何組かできたら生徒が好きな袋を選び、紙片を並び変えて単語を作る。
3.3 発展

自己表現/発表(絵を描き口答で表現)
自分のことや自分の理想のものなどを絵で表す。
My Dream Town, My Dream Room, My Breakfastなど
クラスで絵を描く時間が取れなければ、宿題で絵を描くように指示するとよい。
クラスで絵を描く時はスペースを小さくすると早く終わるので目的の活動に時間を使える。
絵を描いているあいだは歌やチャンツのCDをくり返し聞かせて後で歌う。

3.4 評価

子どもに負担をかけない評価法
ペアチェック:友だち同士で質問する。
観察:ゲームをしているときに生徒の発話を聞く。
指導者によるチェック:ピクチャーディクショナリーに印をする。すべて言えたらシールをはる。

3.5 復習

一気に復習できるゲーム:さいころゲーム 
絵カードをたくさん用意して重ねてテーブルの中央に伏せて置く。
生徒は順番にさいころを振り、出た目の数だけカードを取り、英語で言う。
言えない単語は、皆で復習してカードの山に戻す。

4. コースデザイン

コースブックと併用した場合
コースブックに出てくるテーマにあったトピックのピクチャーディクショナリーを扱う。

コースブックを使用しない場合
季節にふさわしい内容のテーマを選び、年間の計画をあらかじめ立てて教える。
単語が言えるようになって終わりにしないで、トピックにふさわしい文章の中に入れて発話したり、自分のことを表現できるようにする。
1テーマで4レッスンくらいかけて扱い、時々復習をする。

歌や絵本などいろいろな教材と組み合わせて使う。