差があるクラスの運営と楽しいアクティビティー 2007年1月18日

1. 1クラスの中にどんな差があるか

年齢差
年齢が違う子どもがいる。
1歳違いでも、集中力の差が激しい。
レベル差
学習経験の差がある。
自分が担当しているクラス以外でも英語を学んでいる子がいる。
能力差
同時にスタートしても1歳小さい子どもの方ができる。
同時にスタートしたのに、ついていけない子どもがいる。
理解力に差がある。
個人差
同年齢でも精神面での発達に差がある。
性格、好み、興味が違う。好きなアクティビティーのタイプが違う。
スキルの差(得意なところが違う。)
リスニングが弱い。
読み書きが苦手。文字に全く興味を示さない。
書けるが読めない子がいる。
読めるが書けない子がいる。
動機
英語が好き。学びたい。
やりたくない。消極的な理由で通って来ている。

2. それぞれの差への対応策

a. 差を認める

生徒によって要求基準を変える。(よくできているときは、質あるいは量を求める。よくできなかったときには、挑戦したことを認める。「がんばったね。」と子どもの努力を認める。)

差に対応できる教材を選ぶ。(Longman Children's Picture Dictionaryは、ワークブックが2レベルあり、生徒にに応じて選べる。同じクラスで違うレベルのワークブックを使える。)

早く終わった生徒用に次の課題を用意しておく。(先生の手伝い役にして他の生徒を手助けするなど。)

生徒が教材ややり方を選択できるようにする。(ワークシートに絵を描いてもよいし、文字でもよい。文字練習を宿題を出すときには、「好きな単語を自分で選んで3つ以上練習する」というようするなど。)

生徒の考えや感じ方を受け入れる。(今日のお天気を何人かに質問すると、いろいろな意見が出ておもしろい。I think it's cloudy. I think it's sunny.のように、I think …をつけて自分の考えを言う練習ができる。)

各自が創意工夫できるようにする。

いろいろなタイプの生徒にあうようにレッスンの内容を工夫する。
Multiple Intelligenceの考え方を入れる。五感を使う。(視覚だけでなく、聴覚や触覚を使う。) 静と動、集団と個人、音声と文字、まじめなことと楽しいこと、早さと正確さ
子どもが持ついろいろなものを使う。(絵を描く。片付けや準備の手伝いをする。)

多様性を受け入れる。答えが一つでないことを質問する。

b. 差を積極的に生かす 差を作り出す

生徒個別の目標を立てる。生徒自身が目標を考える。(英語を習ってどうなりたいかをきいてみる。)
個別指導の時間を設ける。(個別の目標を達成するための手段を考え、そのための時間を与え、それを援助する。)

c. 差を明らかにしない工夫をする

アクティビティーの内容を考える。(一人だけが目立たないようにする。)

競争のゲームをしない。(実力ではなく運で勝てるようなビンゴゲームや、さいころの数だけ先に進むようなゲーム)

得点をつける場合は、ペアあるいはグループで活動をする。

3. 差を感じさせないアクティビティー

a. 一人だけが目立たないようにする

コーラスでリピートする。
指名の方法を工夫をする。(特に積極的な生徒が挙手をするたびに指名していると、他の生徒が参加しなくなる。)
運がよければ勝てるようなゲームをする。(ビンゴゲーム、すごろく)

b. 個別の時間を設ける

読み書きの指導(読み書きへの興味や意欲は差が大きく出やすいので、他の子どもと同じ量を書かせたり、読ませたりしないよにする。書くのが苦手な子でも年齢が上がるにつれて5、6年生頃に急に興味が増すことが多い。)

絵本、リーダー教材の音読(できれば生徒の人数プラス1、2冊用意して選べるようにするとよい。)

進度チェック(中高学年クラスでは、クラスで扱った題材を一覧表にし、復習を兼ねて時々チェックしてみるとやる気が出る。初歩クラスの例:よくシャッフルした大文字のカードが読める。色や果物の名前を9つ言える。1~20まで順番に言える。よくシャッフルした1~20までのカードを見て数が言える。自分の持ち物の色を言える。)

c. グループで協力するゲーム

伝言ゲーム
絵カードを生徒が順番に渡しながら、カードにふさわしいセンテンスや単語を言っていく。

Pictionary
先生が見せる絵カードの絵を生徒がボードに描き、他の生徒が英語で言う。

Jumbo Tic Tac Toe Questions
○×ゲームの要領で遊ぶ。選んだマスの質問に答える。

d. 自分で選択する

Measuring
教室にある品物や家具、自分の持ち物や身体の部分の長さをあらかじめ予測してノートに書く。選んだものの絵も描く。その後メジャーかものさしで実際に計測する。その結果を記録し、予測との差を楽しむ。

Race to 100 (Education Worldィのニューズレターから http://www.educationworld.com/ newsletter-weekly@educationworld.com)
A~9までのトランプを2~3人に1セットと、さいころを1つ用意する。トランプを裏にして並べ、全員が好きなカードを2枚選ぶ。選び終わったらカードを見て2けたの数字を作り表にして自分の前に並べる。(選んだカードが2と5だった場合は、25か52のどちらかの数字を作る。)全員が2けたの数字を作り終わったら、数を英語で言ってから、さいころを振る。奇数がでたら一番小さい数字を作った生徒が1ポイントをもらう。偶数がでたら一番大きい数字を作った生徒がポイントをもらう。一定時間続け、ポイントの多い生徒が勝つ。(上記のサイトで紹介されたやり方は10ポイントずつ点数を与え、どちらかが100になるまで続けるゲームだが、結構時間がかかる。英語クラスではだれる恐れがあるので、得点の与え方と終わり方を変えた。)

Race to 1000 Education Worldィのニューズレターから(http://www.educationworld.com/ newsletter-weekly@educationworld.com) Race to 100と同じように遊ぶが、カードを3枚選び、3けたの数字を作る。

e. 答えがひとつでない

Word Tennis/Category Game
先生か生徒が選んだテーマの単語をグループで交互に言っていく。Winterというテーマなら、冬に関係のある単語( snow, mittens, Christmas, ski, etc.)を言う。テニスのボールが行き来するように次々とテンポよく言う。

なかまはずれ探し

先生か生徒が選んで言う4つの単語の中で、ひとつだけ違う仲間のものを言う。理由が言えて納得がいくものであれば違う答えも受け入れる。(例:onion, carrot, tomato, potatoを出題したときに、ある生徒が、onionを選んだ。他のものは切ったときに涙がでないからという理由であった。別の生徒は、carrotを選び、人参は丸くないので他のものとは形が違うからと理由を述べた。どちらも納得のいく説明なので受け入れた。)

フォニックスのしりとり(Sound Dominoes) 

語尾と語頭の音でしりとりをする。apple, knifeなど発音されない文字は、それぞれl, fで始まる単語とつなげる。なにも使わないので、レッスンの最後に少し時間が余った時などにやるとよい。

4. 結論

  1.  生徒の差はなくならないので、
    1. 差を生かす。
    2. 差を認める。差があって当然と考える。差に応じた目標を立てて指導をする。
    3. いろいろな指導法やスタイルを入れる。
  2.  差に対応できる教材を使う。
  3.  教材を差に応じて使い分ける。
  4.  差に応じたレッスン内容を考える。